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素描

by 鈴木O

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1.
前奏 00:51
2.
偶像 02:16
屋上、膿んだ昼下がり 偶像はぼくにほほえんだ まっすぐに落ちた双子の影 似たもの同士だ 暇つぶし、きっとそうだね 釣り合わない秤 抱きしめたあきらめ なぐさめ、間に合わせの 次の春にはもう
3.
減衰 00:57
ダメになるから すぐ、すぐ やっぱ足りないネジが あった、あった どうでもいいこと、かな? どうでもいいこと、かな? かな?
4.
待合 02:12
ビルに張り付いた 飛行機雲で結わえた 位相のずれた隙間の空、光 届かない声が聞こえる 夕立がドクドク眩しいな 傘はないけど どうしようもないよね 待ちぼうけの 人の波にきみは見えず 動かないぼくだけが 残された 雨上がりの空に独り
5.
幕間 02:03
野放し、怒りは 例えばフラスコみたい 傷ついた目でぼくをにらむ いいよ それでいいよ
6.
帰路 01:11
ねえ、どうして怖いの? 壊れた目が見てるから (遠回りしよう) そうだね (そうだよ) まだまだ先は長い くちなしの花が香る 夏は近いと知る
7.
近景 01:24
足元で目を覚ます雪
8.
倦怠 02:29
ぼくの毎日を貫いて鳴る一つの音がある つまんない つまんない 堂々巡りの日々をくりかえす 白い予定表の中の 赤い染みをバツで潰して ぼくの毎日を貫いて鳴る一つの音がある つまんない つまんない 泣きたいわけじゃないけど涙は 蚊柱の立った夕べに叫んでも つまんない つまんない つまんない つまんない
9.
延命 02:00
日向にポカンと座り込む幽霊のような 似合わない気分さ、似合わない 抜け出したい しょぼくれた毎日をあきらめそうになるけど しょぼくれた歌でも歌って今日もどうにかなる 救われたい 笑い声は空しく心を締め付けても 今日が過ぎるならそれ以上はいらない 終わらせたい
10.
結局 02:32
さよなら、さよなら、さよならさえも 手遅れなの? そうなの? どうなの? なんて 懸念があるよ 不安が来るよ ぼくは終わりを待ちながら ほうき星を数えて 静かな夜明けの町を歩いた ぼくらの荒野に与える音はなく ああ、富と世界のなきがらに 甘い口づけを まどろむ 全部、全部、全部、全部 途絶えて
11.
平日 01:17
できもしないことばっか いつも想像してもため息ばかり 夕暮れ冴えない火曜日 買い物帰り偶然に きみとこんなとこで会える だから待ってた、待ってた、ねえ 同じ漫画を二冊買った水曜日 階段前のバス停 ふたりきり 同じ夕暮れを背負って 言葉を忘れた木曜日
12.
光明 03:59
まぶた、うつむいた 帰りのバスの (横顔が) ガラス窓に映りこむ ゆるく解け合った 二人の距離の (真ん中に) 変わらないものがあるのかな いつかこの日を思い出しても 笑えるようでありたい 一歩踏み出して変わりたいのは 終わる今を明るくしたいから 銀色の背景に 不確かな足跡を残した すぐに消えてくだけでも
13.
欠片 00:43
14.
後奏 03:10
高層ビルの付け根から 無人の街を水平に眺めた 静かな 乾いた世界を抜け出しても 行く当てなんてないから 行き止まりの人類のエピローグ 誰も気にしない結末 崩れていく、崩れていく 記憶の底で二度と会えないと 壊れていく、壊れていく 積み重なった命、その果てに ぼくがぼくであることを やめられたのなら ピンク色の海に紛れて リズムが聞こえる 血液の鼓動
15.
郷愁 01:49
忘れないでね どうでもいいことを 忘れないで 些細な一言 古い本 よれた付箋 黒ずんだ部屋の すみっこで花が咲く 寂れた街並みに ゆらいだ五線譜が 泣いている 泣いている 泣いている
16.
幽霊 01:12
見え透いた文句で 後悔を刻んでも 誰のためにもならない (わかってる) 青い幽霊の 貧相なわき腹に触れた いとおしくて ぬるい空気が朝を運んだ 満員電車が高架を渡る 狭い世界で朽ちてく日々よ
17.
四限 01:39
塩素のにおいがした窓の外 裸足の彼女は手を振った 視線、交差、図らずに ぼくはそっと目をそらした チョーク黒板を叩く 高い音と 浮ついた声 もやのかかった思考 白い肢体、焼きついた
18.
予告 01:06
遠くに行きたいな 遠い海、遠い空の向こう、なんて (でも) どうして? (なんか違うな) 同じだ、同じだ どうして? どうして? さびしいよね? さびしいよね? さびしいよね? さびしいよね? さびしい
19.
崩壊 06:47
今さらもう戻れない とりとめのない歌 弱くひびく 朝日がドアを叩いて ありふれた思い出 つゆと消える このまま肩を並べて どこまでも行けたら 全部忘れて 子どもの頃の夢から こぼれ出す面影 さびた記憶 遠いきみに 会いたいな、会えないな 消えていった いくつものさよなら
20.
嗜眠 04:23
憂いを呼び返す まどろみ手繰りあう 走るイメージ 覚めない 空っぽの箱を作っては壊した (人間の末路、営みの空虚) 待避線で待っているのは (おんぼろ列車の成れの果て) お金がないから 時間がないから 生きてるだけで精いっぱい (だから) 幸せになんてなれないわけだね 灰色の未来さえも うまく描けなくなっているから いよいよホントにやる気がないなあ 楽しいことも楽しくないよね 停止信号役に立たない みんな無視して吹っ飛んでるよ 気楽なもんだな人生なんて 終わっちゃえば思い返す暇も ないよ

about

トラックはすべてパブリックドメインのクラシックから剽窃したサンプルで作られています。

All tracks contain samples plundered from public domain clasical music.

credits

released January 21, 2018

Vocal:ORIGAMI-I
Mastering:rjnk(https://twitter.com/rjnk1)

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